40年越しの夢の着物(男性)¥380K

着物を染めていて思うのですが、

必ず、良い着物というものは、その持ち主と惹かれ合い、持ち主の人生に干渉する。ということです。

多かれ少なかれ、お着物のお誂えには、ご縁や物語があるものです。

お着物にそれまでご縁のなかった方でした。

彼は、車の整備工なのですが、お着物好きのご友人のおススメもあり、お着物を誂えられることになったのですが、腕も長いし、せっかくの工房でのご縁なので、デザインから起こすことにしました。

物静かで優しく、落ち着いた方だということも、感じていました。
オーダーメイドの最大の関門は、たとえお似合いのものが作れたとしても、「気に入ってもらえるか?」ということなのです。当たり前ですけどね。

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車の整備工ということもあり、紋にはギアのような遊び紋をデザインしました。
出来上がってお見せしたのは数か月後。

お見せした時の反応は、忘れられません。

そして、批評には厳しいという彼が、いつになくの笑顔とテンションで語ってくださいました。

「自分は、車の整備工になりましたけど、小さな頃、ほんとになりたかったのは、飛行機の整備工でした。飛行機に関わりたいって思わされた飛行機は、ロシアの戦闘機なんですが、、」と言われ、見せて頂いた飛行機の写真はこちら。
そして、僕が染めたお着物はこちらです。なんと。。。!!!

そっくりなんです!!!
勿論、そんなエピソードがあることも知りませんし、飛行機も見るのは初めてでした。
こんなことがあるのかと。その方のことを考えて染めた時、そこに、テレパシーのような、不思議な奇跡が起こるのです。この日、喜んで、人生初めてのお着物をお受け取り下さいました。

羽織は「伊と幸」という生地ブランドの、最高級織り柄のものを、裏でお仕立てしました。帯は一真工房デザインのものを西陣で織ってもらっています。

男性着物総手描き小紋+織男帯+白地織柄羽織+長襦袢他小物一式 78万円(税込仕立て上がり)

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