about

これまでのことと、これからも変わらないコンセプトのこと。

「風を染める」 それが最も大切なコンセプトです。

具体的には、「濡れ描き友禅」というぼかし染めで、刷毛をもって生地を濡らしながら染めていきます。

ぼかし染めは1200年続くと言われます。遣唐使が中止され、国風文化が華さく平安時代、「あさぼらけ」や「おぼろ」など、日本的な表現として現れたそうです。

そのぼかし染めを使い、日本人が大切にしている「風」と言う表現を用いています。

風の付く言語は2000語あると言われています。そして、心の動きや社会の流動を「風」と表現する日本語独特の感性は、現代でも確かに根付いています。

京都は日本人の心の都です。はんなり、と言う言葉にもみられるように、柔らかでしなやかなぼかし染めをこれからも染めていきたいと思います。

150年の歩み

一真工房の歴史 1868年創業と言われています。

僕が直接会ったことがあるのは祖父まで。祖父は絵が抜群に上手いだけでなく、字も大層上手く、近所の方からよく頼まれていたそう。今は数えるほどしか作品は残っていませんが、やはりぴか一に上手い。 特に今、水墨画のように着物を染める職人は、ほぼ皆無になってきているので、その作品性の高さは、際立ちます。

戦前戦中戦後と変化が続き、京都の西の梅津と言うところから現在の西院へ移ってきました。 その頃、祖父のそばでずっとレコード番をさせられていたのが叔母の富士子です。

祖父は富士子を学校にもろくに行かさず、手元に置いてあれこれさせたようです。 そして、祖父があまりしなかった、ぼかし染めによる「合口合わせ」の技法を極めていきます。(縫い口をまたいでも、絵が繋がる手描き技法です。) 同時に素描は別の師に南画も習い、現在最も水墨画の着物を上手に染められる着物職人と言えます。

そして、母に当たる、けいこがおります。富士子とは幼少期の様子が全く違い、祖父はけいこを毎日着物を着せて、一緒に祇園に呑みに行ったそうです。祇園では日本舞踊を習い、お花は19歳の時に免許皆伝となり、教室を開いていました。京女としての文化と共に、華やかなものを好み、絵の特徴やコーディネートにその性格はよく出ています。

父、加藤一真は、洋服の世界におりました。まずは引き染(地色と呼ばれる大きな部分を染める工程)の工場に働きに行き、後に祖父の元に入社、けいこと結婚しました。バイクが好きで、日本中を廻り、その景色を描く細密友禅は、加藤一真の代名詞となり、一真・けいこ・富士子の時代となり「風彩染」という、独特のぼかし技術を確立、商標登録されます。

この間に、紅白歌合戦の中村美律子さまのお衣裳や、米倉涼子さま版の『黒革の手帖』第六話での絶頂期のお着物の製作ほか、芸能人方のお着物制作、京都府加悦町ご依頼の文化博物館永久保存のお振袖、数々の手描き組合の作品展での受賞など、様々な華やかなプロフィールも重ねていき、今も勤めてくれる勤続40年以上の職人さんたちと一緒に頑張っています。

四代目洋平のprofile

一真工房4代目。 1981年10月30日生まれ  数少なくなる手描きの着物、それも独自の技術で染め続けてきた工房であり、紅白歌合戦や、文化博物館に永久保存される振袖、ドラマの衣装、京手描友禅作品展連続受賞など華々しい経歴もある一真工房に生まれる。

「今までのこと」

12歳の頃から学校が嫌いで漫画が好きで、死にたくない人生から「生きたい人生」に変えてくれた漫画のおかげで、「世界に一人でも自分のように夢を持つ子供が現れるように」と漫画を描きだす。漫画ばっかり描いてたら偏差値は最悪に。「漫画家になっても良いから大学は出てくれ」という親の説得もあり、進路には相当迷ったけれど、見つけた志望校は漫画の勉強になると確信し、猛勉強。同志社大学文化学科文化史日本史コースに入学。1年しかまともに勉強せず、灰の入ったカレーなど食べたこともなかったのに、子供たちとキャンプするサークルにて会長を務め、物語やテーマ溢れるキャンプを創る。

25歳で『週刊少年ジャンプ』で賞金と担当を獲得。しかし、この後家業の着物作家に転向。 漫画の取材で出逢った自給自足の村やボクシング、演劇、青春の日々から、絵を描くことだけの生活+リアルな世界への楽しみを得たくなり、まさに人がいなければ成り立たない「着物」への道を歩む。

着物にはストーリーが溢れ、常に着ている人がどのように褒められ、その着物一つで話を膨らませられるか、を大事に考えている。 その後テレビ・ラジオ・本などメディア出演多数。タカラヅカトップスターや服部真湖など芸能人の衣装や、映画の衣装なども制作。2016年には、LEXUSより京都の匠として選ばれ、インテリアや日傘、大好きな漫画のキャラの着物を具現化させるなど、活躍の場を広げている。

受賞歴

  •  伝統的工芸展入選東京青山にて展示
  • 京手描友禅作品展「リビング京都賞」受賞

本・新聞

メディア衣装

テレビ・ラジオ

文化活動・展示

 

洋平は、考えています。
 
どうすれば、「着物」というものが、感動の詰まったドラマであることを伝え、経験してもらえるか。
 
どうすれば、同じ世代の、着物の好きな、和の好きな人たちを、そのまま、きちんと本物を見てもらえるか。
 
どうすれば、もっと、多くの人に、風彩染を知ってもらえるか。

 

そして、「風」という、何者にも決められないものを描くことを、追いかけ続けています。